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by nestvision

2008年 12月 22日 ( 1 )

b0025405_218853.jpg北新地や銀座などに馴染みのない方には、この口座というのがピンと来ないらしい。
口座(東京では"係り"という場合が多い)とは何ぞや?が今回のネタ。

概要としては、クラブやラウンジには、必ずその客の担当になるホステスさんが居る。
そのホステスさんは、簡単に言えば、客がツケ(ほとんどがそう)で支払ったお金の、店への保証人(担保)である。
その客が、店の取り決めた支払いサイトを過ぎても入金が無い場合、そのホステスさんが店に立て替え払いしないといけない。
その客の保証人だから、客に関する店でのあらゆる事を取り仕切る。

面白いシステムだなぁと、かつていろいろと調べた事がある。
遡ると、やはり江戸期の艶街のしきたりから来たもののようだ。
今でも京都には厳然と残っている江戸時代のしきたり。
簡単に言うと、お茶屋と置屋の関係である。
お茶屋は「場」であり、置屋は「プロダクション」であるワケだ。
置屋に籍を置く芸者さんが、お茶屋という「場」を借りて商売をする。
今の北新地のクラブなんかは、このお茶屋機能を店が行い、置屋機能はホステス自身に委ねられた…といえないだろうか。

江戸期の遊郭では、一度”馴染み”(口座)となった遊女は、その街では決して他の遊女を指名してはいけないという厳然たる決まりがあった。
そのために、客はその遊女の馴染みになるまでに、最短でも一年を要したというし、太夫クラスになれば、何年も散財をしなければ座敷にもついてくれない…、という基本的に売り手市場を演出していたらしい。
馴染み変えなど、艶街では御法度。街の中だけでの厳しいペナルティもあったらしいし、何よりも「あいつ、馴染み替えするような無粋な客だ」とバカにされたようだ。

まぁ、そういう事から端を発しているので、実は今の北新地や銀座に於いても、口座との関係は非常に厳然としたものがあるハズなのだが、そこがどうも最近ヘンなのである。

客の中には、好みのホステスをすぐに口座にし、飽きたら口座を変えて当然、と思っている無粋モノが増えたし、店(茶屋)もそれを容認していたりする。
今も営業している北新地の老舗クラブが「3ヶ月お越しになっていないお客様は、口座を変えていただいて結構です」というアナウンスは、噴飯モノを通り越して、不況の時代を反映した悲惨な出来事なのである。

口座のホステスさんとは、いわば、この街(店)での正室的な存在であって、お互いにジェントルな対応を求められるし、実際にそうあるべきである…と個人的には考える。
口座は客の、客は口座の縦横斜めと、ある程度知っておかなければならないのである。
客も、その口座のホステスさんと共に成長していこうという気持ちがないと、うまくいかない。

まぁ、そういう口座さんとは、本当に希にしかお目にかかれないが、一度そういうホステスさんと出逢うと、おつき合いは一生続くと考えるべきなのである。

この口座に関するエピソードは五万と存在するので折に触れ、また書いていきたいと思う。

※上記、口座を介さない客と店の関係を、店口座というので一応補足しておく
by nestvision | 2008-12-22 02:13 | 北新地春秋column