『スティル・ライフ』 池澤夏樹/著(中公文庫)【再読】
2007年 09月 30日
こういう時の解毒剤は、やっぱり夏樹さんだと思う。
転校して来た隣の生徒が、ヘンな訛りでポツリと呟くような違和感。
そういう感じが池澤夏樹文体の真髄ではないかと思う。
最初にこの作品を読んだのはいつだったろうか?
芥川賞をとって、それで…って頃だろうから1990年より前だったんだろう。
あの頃には気づかなかった緻密な変態構成が心地よい。
やっぱり、解毒剤はこの人の作品だと思う。
もし無人島に行くのなら、この人の作品集か、内田センセか、どっちか迷うなぁ。でも内田センセには共感できない部分もあるから、一冊だったら夏樹さんかなぁ。
駄文を読みまくった私の脳が、少し洗われたのでした。