40歳代の最後に観た映画。
太田隆文監督が、業界でタブーとされる”原発問題”に真っ正面から向き合った意欲作。かつての編集部の後輩であった原田親がずっと推していて、献身的にPRしているので知った作品だ。
十三シアターセブンでの公開初日の最終回に行く。太田監督の舞台挨拶も目撃出来た。
”原発”は日本において民族問題などとと同じくタブーである。製作協力はおろか、公開劇場からも断り続けられたと、舞台挨拶に立った太田監督。「この逆風の中、すんごい事する人だなぁ…」って思った。
作品は、大きなテーマをどっしりと根幹に置きながらも、エンタテインメントとして、家族群像として、すごく楽しめる映画だった。いしだ壱成や山本太郎など、なかなかイメージが着き過ぎているキャスティングではあるのだが、そんな事は忘れてしまうくらいの好演で、説教くさくなく、いい芝居だけをやっていた。
中でも長女あかね役の平沢いずみは本当に魅力的。たまらなくかわいいのである。
エンタテイメント映画として十分過ぎるくらいに面白いし、必ず泣ける仕掛けも満載。原発問題云々以前に、劇場映画として楽しんで欲しい映画である。
そして、今この国に住む大人は観る、観ない以前に”観なければいけないテーマの作品”である。
機会があれば家族や子供たちと観に行くべきだし、小学生の低学年であっても十分に理解出来る内容である。今関西を廻っている。機会を見つけて目撃して欲しいし、見逃してもどこかの小屋で絶対に観るべき作品である。待っていてもテレビでは放映されないし、きっとDVDもどうかな?と思う。
映画という主張するメディアだからこそ出来た壮大なテーマだと思う。きっと相当に個人的にも大変だったろう太田監督と周囲の応援部隊の方々にエールを贈りたい。
終演後、太田監督のサインも欲しかったし写真も撮りたかったし、何より原田親に挨拶したかったけれど、号泣につき不覚にも目を腫らせてしまい、不本意ながら逃げる様に帰ったのであった(恥)
最後に、原発問題は多くの事実や、隠蔽された真実の中にある。いますぐ廃炉という考えの人も理解出来るが、原発に依存しないと日本が立ち行かないとする人間の立場もわかる難しい問題。
しかし一度問題が起これば、地域や家族の「今」を破壊するだけではなく、「未来」や「希望」さえ破壊するのだという事実だけは揺るぎない。国民みんなが注視すべきテーマである事だけは確かである。
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公開スケジュールはコチラ
●十三七藝の下のシアターセブンでは10/18まで
●京都みなみ会館では10/19〜
●渋谷はUPLINKで上映中
●横浜ジャック&ベティにて10/19〜
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(ちなみに主演の平沢いずみはメチャメチャ、タイプである(爆))