その外人選手が、この地に縁の深い小曽根真との競演となればいてもたってもいられない。さっそく目撃に神戸こくさいホールへ急ぐ。
今回の「神戸特別演奏会」のサブタイトルは〜悠久のロシアに想い奏でる〜というもの。こういうキャッチーなコンセプトをひねり出すのも大植さんらしい演出だ。
[ロッシーニ/歌劇「どろぼうかささぎ」序曲]
ロシアの暗いイメージをひっくり返す明るい演奏。見た目にも楽しい演出が随所にあって、クラシックに馴染みのない人に入って来て欲しい!というオーケストラの優しい意志を感じた演奏だった。
[ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲作品43]
まったく妥協を許さぬ本気の小曽根真による、トリッキーなのに会話をするが如くの感情豊かなピアノが冴え渡った。もう本当に”鳥肌もん”というのはこういう事なのだなと興奮して聴き終える。
[チャイコフスキー/交響曲第5番 ホ短調 作品64]
お目当ての小曽根真コラボも終わったので、ホッと気を抜いてじっくり構えていたら、さすがの大フィルです。十分に聴衆を揺さぶる完璧な演奏。いや、やっぱり大植さんとの相性というか歴史みたいなのが、極彩色に散りばめられた圧巻の演奏だったのである。
実に実に、いいコンサートだった。
クラシックはどちらかというと門外漢だが、神戸こくさいホールってあんな感じ?大フィルが演奏するのだから基礎要件は満たしているハズだけど、シンフォニーや兵庫芸文の芳醇な響き…みたいなのが少なかったような気がする。ホールの音響特性ってどうしようもないのかなぁ?
それと、コンサートには直接関係ないけど、いつも国際ホールに行って思う事は導線の危うさ。ど真ん中のエスカレーター一発での入退場は危険極まりない。あれいつか事故起こるで!と常々思う。まぁ主催者はそこんとこを細心の注意をしているんだろうけど…。
そしてもっと関係ないけど、ボクの席の近くにお父様の小曽根実さんも聴きに来ておられて、久々にm&m Joinの小曽根さんに遭った。すごくお元気そうでちょっと嬉しくなった。あんな実さんを見ていると「孝行息子やなぁ…」とちょっと嬉しくもなったのである。