イシハラマコトのマンボな日常へようこそ☆


by nestvision
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カテゴリ:北新地春秋column( 14 )

北新地から果敢に銀座に転身したホステスのYちゃん。
北新地ではひょんな偶然からお友達になり、銀座のお店にも一度行きました。
その後、約1年ほど経ちまして、Y嬢は諸々の理由で同じ銀座の他店に移籍が決定しました。
…と、ここまではよくある話。
Y嬢よりメールが来て、「カクカクシカジカ、他店に7月から移ります。つきましてはキープさせて頂いているボトルを移籍先のお店に移していいですか?」との旨の丁寧なメール。
北新地&銀座生活約20年の拙者にとっては、初めてのこと。
聞くと、銀座ではちょいちょいこういう事もあるらしい。
新しいお店に移り、社交辞令でボトルキープして、次に行こうかな…って思ったら「最悪な店でした。今日で辞めます」などという輩の多い業界。いったい今までに一杯しか飲んでいないボトルがどれだけ宙を舞っていることでしょう…。
そんな中、Y嬢の実は当たり前な心遣いにプロ魂を感じた、銀座の夜のチョットええ話なのでした。
by nestvision | 2013-06-20 11:49 | 北新地春秋column
b0025405_8543133.jpg今の北新地(特に上通り界隈)で有名人がひとり居る。
高額な未収金を抱えたY子さんである。
北新地のシステムをご存知でない方に少々レクチャーをしましょう。
北新地では原則ホステスさんは自分の客(口座とか係という)の飲み代の集金リスクを伴って「口座料」という金額を受け取る。現金払いの客はほとんど居なくて、カードかツケ(一ヶ月まとめて請求書が郵送される)がほとんどの昨今の北新地。もし期日に客から店に入金が無い場合、この口座さんが店に対して立て替えるのがならわしなのである。
「えぇ…、そんなぁ…」という人がほとんどだが、こう考えると納得がいく例をひとつ。
銀座や北新地のクラブといわれるお店は大丸とかそごうなどの百貨店と同じなのである。
百貨店の中に多くのブランド(ヴィトンだったりシャネルだったり)が入っている。ホステスさんは一人一人がそのブランドなのである。いわば百貨店から場所を借りて商売をしている。
ヴィトンで商品が盗まれたとする。それはヴィトンの責任であって百貨店は基本的に感知しない。ヴィトンの商品が売れ、百貨店の経理が集金するが、その中に不正カードのものがあれば、売り場(ヴィトン)に責任があり、店に補償しないといけない。
京都の色町で有名な「お茶屋」と「置屋」が簡素化し、システム化(あるいは形骸化)したのが今のクラブのシステムだ。
お店はホステスさんにお店というシステムを貸している。ミネラルや氷、ウェイターやピアノ弾きなど、公共的なもののコストは持つ。そのシステムを使ってホステスさんは自分の商売をするというワケだ。

そういうシステムの中でY子さんは大きな未収額を抱える事態が起こった。

北新地は小さなコミュニティである。一晩のウチにその噂は街中を駆け巡ったようだ。
「×のホステスで○○万、飛ばれた人がいるらしい。アホやなぁ…気づけへんかったんやろか?」

「へぇ、そんな人おるん。かわいそうになぁ…」と請け答えしているが、そのY子さんは実はボクの昔からの口座さんである。
まだ大学生だった頃から知っているし、安いラウンジからクラブへ進出する時に背中を押した仲である。
当事者である客の動向が不穏になって来た頃から何となく本人からその話は聞いていたが、その期日がやって来て、Y子さんは数日少々パニックになったものの、その高額な補償を何とか自力で店に対して行った。
「もう一文無しですけど、一からがんばります。笑っときやぁ…ってママたちも応援してくれるし!」とこのY子はケラケラと笑った。

格好ええなぁ…!
天晴れ!と思った。

普通、お金の補償で店とモメたり、仲の良い金持ちの客から金を借りようとするセコいホステスの多い中、Y子は自力で何とかして笑って毎日出勤している。

中途半端なヘルプのホステスや、出たり入ったり腰の落ち着かぬホステスが、会った事も無いこのY子の噂話をしているだけの事である。こういうホステス道からはほど遠い腰掛けホステスが面白可笑しく噂しているだけである。

真面目に北新地にコミットしている人間はみんな思ってる。「男前やなぁ…」って。

昨日は北新地の締め日だった。ボクは電車で帰る予定だったけど、一時間だけお店に行った。
こんなボクが一晩行ったところで何にもならないけれど、出来る限り行ってあげないと…と思っている。
幸い、そのお客さんとも交渉が進み出したと聞く。その方の事は何も知らないのでここで云々書くのは憚れるが、同じ男として、まぁいろいろあったんだと察する。

そういうY子のような人がいるから、この街はまだまだ大丈夫だと思う。
そんな男前な気持ちには、こちらも真心で応援しないといけない。
がんばれ!Y子。ほんまもんのホステスに、また一歩近づいたなぁ。
by nestvision | 2012-02-21 09:08 | 北新地春秋column
昨年末に、こんな事がありました。

b0025405_22452628.jpg北新地でもド派手な客筋で有名な某クラブ(内容二流、料金一流)。
私はとても嫌いな店なのですが、旧知を訪ねて二回目の入店となったワケです。
年末も押し迫ったある日、奥のボックスに陣取っていた数名の客を目指し、どこからか数人の男集団が乱入。
店の中で「なんじゃ、おらぁ〜!」「おんどれぇ〜」と乱闘開始で店内騒然。別にヤというワケではなく、気性の荒い業界での仁義系のお話なんでしょう。こういう事は北新地で飲んでいると年に数回遭遇するのですが、問題は黒服およびいつもはシレッとしているプライド高そうなオーナーママの対応。

店のスタッフのほぼ全員が奥のカウンターに避難しよる。事の成り行きをジッ〜っと奥から見ているだけ。

「はっ?」

黒服は、こういう時の為にアホ面にもかかわらず雇ってもらってんじゃないの?
その席のホステスさんたちは当然ながら呆然×呆然。
口座のホステスだけ、周囲にぺこりと頭下げてるような拗ねてるような…何とも中途半端な対応。

シラけた他の客は次々にチェック(精算)。それも致し方なしではある。もの凄く雰囲気が悪くなったのは確か。
そのチェックの作業も遅く牛歩、各ボックスへの店を代表して誰も正式な謝罪行脚なし。

あのね、普通はね、クラブの看板上げてたら、まずこういう酔客がバトル状態になったら秒殺で別場所へ速やかに移動→関係ない他の各テーブルに店長およびオーナーママが陳謝の行脚。
老舗であればここでお代は結構って事になったりもするのである。
ところがここは、その後店長を呼んだにもかかわらず、結局店内を右往左往してるだけで、僕の席には着かず。オーナーママに至っては便所の前で「すんません…」と誰に対して言ってるのかわからん一言。

まぁ、ここまではよろしい。
そういう無礼な店に二度と行かなければいいだけの話ではある。

僕がそこから悩んだのはこういう事なのです(本題)。

あのボックスで"ヤカラ"言って騒いだ客は、確実に「難しいお客さん」「怖いお客さん」として、次回からとりあえずの"不本意なVIP待遇"を受けるのである。
善良に静かに飲んでいる僕のような客は「融通の効くええ客」であり、何をしても「許してくれそうなええ人」となるのである。

例えば次回、またこの"ヤカラ客"とこの店で居合わせる場面があったとしよう。
ママから黒服、そしてホステスのすべてが、この"ヤカラ客"の気分を損ねぬ様に細心の注意を払う。
善良で融通の効く、ええ客の僕は、後回しだったり、席を移動させられたり…と、散々な目に会うのである。

しかも料金は同じ。
もしかしたら"ヤカラ客"の方が「おい!コレ高いやんけ」などとスゴめば、チャーム代くらいロハ(無料)となる勢いである。

昔は黒服も一本筋通す人が多かった。ママ張ってる人も10年前まではカッコ良かった。態度悪くて店を追い出された客を何度も見たし、カッコええタンカを切ったママに、居合わせた客みんなが拍手したり…、そういうみんなでそのお店を盛り上げてる一体感があった時代。

今はそんな仁義は関係なくなって、不況のためか、みんなが肉食の目をしてる。
肉食はさらに強い肉食には、妄信的に服従するのである。

「勧善懲悪」どころか
「勧悪懲善」
である。
正直モノはバカを見る…いや、行儀のええ奴は損をする!である。

「わがまま至上主義」、「粋に飲む客より派手に飲む客」「一杯より一本」、「一人より二十人」「五万を五年より、百万を三ヶ月」…。
最近のそういう北新地のモードが嫌で嫌で堪らない。
そういう悪意は伝搬してくるので、本当に体に悪いのである。

ちょっとホンマにクラブ文化というものを、見直さないといけない時代になって来ていると思う。
by nestvision | 2012-01-04 00:48 | 北新地春秋column
b0025405_1243173.jpg久々の北新地春秋コラムである。
今や”キタの歓楽街”としての威厳も無くなってきた北新地。
大きな要因としては「社用族が全くいなくなった」とか「リーマンショックで息の根を止められた」という事は周知の事実だ。
そこに加えて、20年ほど前からキャバクラチェーンが進出し、いわゆる”キタのクラブ文化”を愛した馴染みの客を街全体が失ってしまったことも大きい。キャバクラだけをやっていればいいものを、最近はミニクラブなどと札幌みたいな事をぬかして、シレッとクラブ営業までやっている。

キャバクラとクラブの違いは何か? システムや料金体系など諸々あるが、僕は”黒服の質”であると思っている。
老舗クラブは、ホステスさんとは別に馴染みの客と男同士の人脈をつくっていく。
そこへいくと、キャバの黒服はオーナー会社のサラリーマンであり、ホステスはスーパーで仕入れるフルーツみたいなもんである。傷がつけば捨てるし、1万円で買う客がいればメロンだって仕入れる。

最近、同輩から「営業がキツ過ぎて行く気がしない」という意見をよく聞く様になった。
確かにホステスさんも、ノルマを抱えて大変なんだろうと思う。チーママや売り上げでやってるプロのホステスさんにとっては毎日が真剣勝負。
だが、最近はヘルプといわれる時給(あるいは日給)で働く、いわばアマのホステスからの営業がキツいというのが顕著だ。
理由は「出勤規制」という、この街独特のリストラ策が影響している。

毎日夕方になると、ヘルプといえども担当の黒服から電話が入る。
「今日の予定はどうですか?」
「特に何も…」
などと答えたら最後
「じゃ、今日は出勤いいです」
となる。

同伴なり、明らかに予約(来る事がわかっている)客のいないホステスは出勤させないのである。
店側は、そのホステスの日給なり時給を払わなくてすむわけだ。
ヘルプホステスになると、シャレにならない。時間を空け、ある程度覚悟も決めてやってる仕事である。
借金、生活費、ヒモへの小遣い、あるいは自身の消費欲を満たす為の予算感ってのもある。
一日部屋でぼんやりさせられて、日給の4万〜6万が吹っ飛ぶのだ。

そして辺り構わず営業をするという構図である。

このご時世である。いくら仲の良いホステスでも毎週毎週そんな出勤規制を救ってはいられない。それでも誘いにのる客の中にはそれなりの対価を個人のホステスに対して求めてくる奴もいる。
そういう事態も店は一切感知する必要は無い。
「出勤規制もあり得るとは言ったが、客となんかせい!とまでは言っていない」という何とも卑屈な理論に展開される。

こういうやり口が今は蔓延している。それもそもそもは、黒服と客の関係を作る必要の無かったキャバクラの開発したプランだ。

なんとかならないものか。
by nestvision | 2011-07-29 13:04 | 北新地春秋column
もう足掛け10年ほどお世話になっている、北新地は上通りの老舗クラブ『クラブONO』。
この4月20日をもって、オーナーママである小野良子ママが引退される事になった。
電話でチーママの美樹ママから知らせを受けて、最後の良子ママのお誕生日にかけつけた。
古株のチーママ二人は良子ママと共に引退し、黒服の顔として開店から28年間寄り添って来た部長も引退されるという。
その後、閉店かと危ぶまれたのだが、若手チーママの彩花ママと清香ママが、そのままオーナーとして引き継ぐ決意をされたようだ。
昭和の匂いを今も残す伝統的な北新地クラブの神髄。
またそういう匂いの店が消えるのだけれど、清香ママたちは、何とかこの灯りを消さないようにがんばりますと、誓ってくれた。
良子ママに最後のシャンパンを。
そして寒い日も暑い日も、店の前で立ち続けた部長に28周年、28本の薔薇の花束を贈った。

たかが北新地、されど北新地。
どうでもいいけど、ちょっと心にしみる新旧交代のいい夜だった。

良子ママ、本当にありがとうございました。
そしておつかれさまでした。どうぞこれからはお母様と静かな生活をお楽しみください。
なかなか苦しい時代だけれど、ママのつくった北新地イズムを、客のひとりとしてその灯りは消さないようにがんばります。
by nestvision | 2010-04-16 15:51 | 北新地春秋column
b0025405_18171865.jpg最近、北新地がパッとしていない(らしい)。
らしいと書くのは、僕もそんなに行かなくなってしまっている。
いわゆる高級クラブやラウンジは目も当てられない状況だとか…。

なんとなくわかるな、それ。

要するに
非日常感の欠如
に他ならないのですよね。
客も、もちろんホステスさんもね。

何が北新地の非日常かというと、たとえば酒屋で買ったら2万円のシャンパンが18万円で供される、から始まって、
「うちのママのマンションのリビング、48畳あるねんて」
とか、
「あのお客さん、自家用ジェットにサウナ設置したらしい」
とか、そういうの。

現状のホステスは、一般女子よりも地味でどこにも行ってないし、誰とも逢っていない。

「この間、勘三郎さんのお家に遊びに行って、手打ちのお蕎麦をご馳走になったのよ」
「へぇ、勘三郎さんって蕎麦も打つんだねぇ」
(↑フィクションですよ)

こういうのが銀座とか北新地の非日常。

今の北新地で唯一、非日常感を保っているのは価格だけかもしれない。

ホステスさんは、どうにか罰金をとられないように、どうにかウザイ席につかないように。
そして、恋愛という人生でもっとも楽しい事を忘れてしまったかのようにぼんやりしている。

北新地や銀座のディスニーランド同一説は、イシハラの持論だが、今は
ミッキーマウスがシンデレラ城の前で
給料袋を覗き込んで数えている

ような状態なのだ。

めちゃめちゃ、現実感を味わいつつ、価格だけ非現実というワケにはいかない。

同じ現実なら、
立ち吞み屋で、楽しくリアルを感じたい。

それと、客側の非現実感もなくなった。
だいたい、戦前から三代目、戦後創業だと二代目。
イケてる会社は上場し、
アカンかった創業一族は株主に排除された。

よっしゃ!よっしゃ!のお大尽
もはや日本のトキくらい絶滅状態
なのである。

戦後60年、もはや艶街の魔法が解けてきたのかもしれない。

by nestvision | 2010-03-11 18:33 | 北新地春秋column

節分&お水汲み祭

0203 @ Kita-Shinchi

大阪は北新地の守護神「堂島薬師堂」のお水汲み祭りと、北新地の節分祭を一緒にしたいわゆる”お化け”が終了。
今年の裏プロデューサーはサントリーのTサンという事もあり、お膝元堂島を元気にしよう!という強いメッセージが感じられたのでした。
そして、北新地の各店も「もう不況やからって言うてられへん」と例年にも増してお化けの盛り上げのウェーブが大きかったような気がする。

拙者も浮き世の義理、そして不景気の厄落としを兼ね、久々のナイトクラビング☆クラブ三軒、キャバ一軒を総見パトロール☆

b0025405_12591221.jpg毎年この人は期待を裏切りませんねぇ。ホント感心します。
上通りにある北新地一忙しいクラブWのAちゃんです。
本気の花魁大夫。昨年と着物も帯も全部一新。いつもの奇麗なロングヘアによるオール自毛の髪結い。なんとここまで結い上げるのに昼の12時から同伴の18時まで美容院に缶詰だったとか。「今日はトイレあきらめてます」という気概に圧倒。やっぱこういう本気のホステスさんがいないとお化けは盛り上がらない。

↓こちらは元スッチー、客を目だけで悩殺するAちゃんです。本場ハンガリアンの民族衣装がはまり過ぎでございます。
んで横がフェアリーテール姿のYちゃん。
一応、白い羽着けてるんですが、どこの席でも邪魔で本人もイライラ。
そしてA太夫との2ショット。豪華です。絢爛です☆
お捻り→入りましたぁ◎トトン♩トントン♪

b0025405_132836.jpgb0025405_16213919.jpg






堂島薬師堂のお勉強をしたい方は→ コチラ
by nestvision | 2010-02-04 11:29 | 北新地春秋column
先日、島民副編のOクンから「北新地春秋コラム」をお褒めを頂いたので調子にのって書く。

b0025405_1282044.jpg北新地という街はいったい何なのだ?と訊かれれば、
「それはディズニーランドである」と答えている。

ご存じのように、ディズニーランドは架空の世界で、そこここに登場するミッキーやプルートの中に、アルバイトセンターで採用された生身の人間が時給何百円かで働いている。
しかし、そんなミッキーマウスに対して「君、時給なんぼなん?」と聞いてはならないのであって、そもそも無粋なのである。

実は北新地にはこれと似た疑似××というアトラクションが数多く用意されていて、それを上手に乗りこなさなければならないのである。

新地のホステスさんは、このテーマパークのキャストさんと同じであって、最初から最後まで仕事なんである。
自分の業務が終わればメイクを落として、原付に乗って託児所に子供を受け取りに行く。
当然、キャストである時には、それなりの着こなしで、それなりの会話、そして目線をゲストに対して向けるのであるが、悲劇なのは、ゲストであるオッサン客の中に、ディズニーランドはリアルであると勘違いしてしまう輩が多いことである。
オヤジ客だけでなく、キャストたるホステスの中にも「私はミニーちゃんよ」と本気で思ってしまってる奴もタマに存在するが、そういうキャストは、北新地の街のシステムが矯正もしくは排除して自浄している。
ゲストたるオヤジ客に説教するシステムが近代にはなく(昔は先輩とか、店の黒服とか存在したが、今はめっきりなくなった)勘違いしてしまうと、暴走し、そして自滅してしまうのである。

恋愛が存在しないか?といえば、そんな事はない。
が、ディズニーランドのキャストとゲストの間において、正確な意味での恋愛は無いと言い切れる。

ディズニーランドで、せっかくミニーちゃんが手を振ってくれてるのに、ムスッと通り過ぎるのは無粋というもの。やっぱり手を振ったり、抱きついたりしてこそ、バーチャルな土台の上にも、何かしらリアルなものが構築される。
北新地も同じで、「おまえ、どうせ彼氏とかおるんやろぉ」と赤ら顔で責めては台無しなのである。

自分が1dayパスポートを買って、北新地というバーチャルなテーマパークに居るという認識さえ持てば、どのアトラクションもゲストを楽しくもてなす街なのだと思う。
by nestvision | 2009-12-10 01:28 | 北新地春秋column
b0025405_1175211.jpg久々の「北新地春秋」である。
11月はけっこう周年イベントが多い月である。
お店が何周年したというただそれだけで、大騒ぎする。
閑散期をこういったイベントで埋めて行くわけであるのだが、この「店の周年」「ママの誕生日」「お化け」あたりは北新地の店にとって”ハレ”の日である。
いわば”祭り”に近い。
”祭り”は地元の人のものである。
北新地の地元の人はホステスや黒服であるのだから、大枚はたく客は決して祭りの主役ではない。
ここらあたりを最近勘違いしてる方が多いのだが、本質はそうだ。

周年ともなるとホステスさんには動員&同伴ノルマが課せられる。
周年なのに閑古鳥という状況は死んでも避けなければならないのである。

北新地暦43年、実質15年の拙者としては、周年のノルマ同伴で、ヘルプさんから営業メールが来るあたりはまだまだである。
最近は周年イベントのDMは来るが、ほぼ営業メールは来なくなった。
オーナーママもイシハラの事を知ってくれているのである。
「必ずお祝いはする」と。

周年の場合、同伴の出勤時間が早まる事は多い。
もしホステスさんと同伴したら、設定時間の5分前には店につくようにするのが客の鉄則だと思う。
特にイベント時期、彼女たちは集団戦となるのである。誰かが変則的な行動をとると、いろんなホステスが困るのだ。
そして、長くても1時間弱で店を出る。
これもイベント時期の鉄則。
20:15に店に入ったら21:00頃「そろそろ…」と腰を浮かしてみる。
だいたい「まだ、いいやん。ゆっくりして」となる。
そこから21:30までの間に団体などが来たタイミングで強行的に店を出る。
この行動は必ず誰かが見てくれているはずだ。
ただこれだけで「いいお客さん」となるのである。

そもそもイベント時期は在籍ホステス全員を動員しても足らなくなる(いや足らないくらい集客しないとイベントとしては不発である)
だから常に店内の状況を頭に入れておく。
拙者の場合、客:ホステスの割合が1:1.5を割ったら即座に店を出る。
実はこれ大事なのである。

そしてイベントといえば”抜きもの”である。
高いワインやシャンパンをお祝いに入れるのだが、これもやはりワインはいただけない。
ホステスさんにはインパクトが強いし、空くまでの時間も長い。
派手さ、効果を考えるとやっぱりシャンパンである。

シャンパンも高ければ喜ばれるのは必至だが、そんな毎回毎回高いシャンパンなど抜けるわけもない。
ベストはチーママ以上に選んでもらう。
チーママ、オーナーママ、オーナーは俯瞰で店を捉えているのだから、周囲の状況と売り上げ、そしてこちらの懐具合を察知してベストな選択をしてくれる。
その店にとって気難しい大事な客がクルッグのシャンパンを空けているのに、横で若造がドンペリのロゼなんかを派手に空けたらそれだけで、大事な客が不機嫌になるという事が多々ある。
そういう店にしかわからない状況もあって、ボトル選びは先に書いた俯瞰的に店をみてる人に選んでもらうのがベストなのである。

そして最後に、ハレの日に口説いたりしては絶対にいけない。
祭りはみんなのものだから。
by nestvision | 2009-11-21 11:08 | 北新地春秋column
「わたし、この仕事向いてないんですぅ…」とは、
北新地で働く女性の90%が口にする言葉である。
後の10%は、ほとんどが若年層。飲むのが面白い&毎晩楽しい…という、まだまだ幼稚園レベルのコ。ごく少数派として、自分の天性の水商売向きを認識している人もいる。

だいたい1年、3年、5年、7年あたりで、みんな昼の仕事へのシフトを考える。
なぜか…昼だ。
日給が、まぁ3万円~4万円の生活から、突然手取り18万円の世界へ飛び込んだものの、その生活の急変に馴染めず、数ヶ月でこの街に帰ってくる人も少なくない。
まぁ、人それぞれの人生なんで、そこは勝手だが…。

店との話もついて、とうとう店を辞める時が来る。
なぜか、もう辞めてしまうのに、俄然客を動員するのは、やはり女の業だろうか?
シャンパン抜いて、プレゼント渡され、アフターで大はしゃぎして、派手&派手に皆さんお辞めになる。

そして、ピタッっと連絡が無くなるのが常である。
中には、「楽しい○年間を過ごさせていただき…云々」と御礼メールを打ってくる奇特な人もいる(奇特なんである)が、ほとんどは、〆20日の最終日が終われば、21日から赤の他人なんである。
こちらも、ヘンな下心を邪推されてもシャクなので、絶対に連絡しない。

それが…だ。

数ヶ月するとメールが来る。
「お元気ですかぁ?また北新地でお世話になる事になりましたぁ…」

知らんやん、そんなん。「はっ?」である。

北新地に限らず、物事には「終わり良ければすべて良し」という事は絶対にある。だから、「〆際」、「帰り際」、そして「辞め際」は、男も女も特に注意しないといけない…と思う。

b0025405_1810915.jpgそりゃ、ひとりの女性として、北新地の傍若無人な客や、尊厳を傷つけられたりもしただろう。
でも、何かを学んだんではないのか?
学んだのではなかったのなら、その数年間は単に無駄だったのか?
せめて、去り際にこそ、ロマンが欲しいのは、客のエゴだろうか…(深々)

PS.当然ながら、キチンとした「辞め際」で、こちらにも心地よく北新地を卒業され、それぞれの道を歩んでいる人も多くいる。そういう方とは今もとてもいい関係である事は言うまでもない。
by nestvision | 2009-02-22 18:08 | 北新地春秋column