『崖の上のポニョ』 / 宮崎駿 原作・監督・脚本
2008年 09月 06日
宮崎さんはもしかして、手塚さんやルーカスあたりに肩を並べられたかもしれない!と思った最高傑作だと感心する。
テーマが奇異でなく、子供は子供なりに、大人へは何らかのメッセージ(複数)を、子供映画という非常にポップな状況に押しこめる力量。
この映画は、基本的にミューズ伝説+人魚伝説のアレンジ。というより、過去の”おとぎ話”をコンピュータに入れてシミュレーションしたかのような緻密かつツボをおさえたドラマツルギー。
だだ、「結界」という概念が様々なシーンに登場してくる。この写真の概念が一番象徴的だけれども、その「結界」が絶対では無く、とても曖昧でいつでも入れ替わったり、出入り出来るという所が現代的である。
「結界」は「不思議」を拒絶するのではなく、「受容」するところに、境界線が無くなるというのも、たいへん哲学的。いわゆる「信じれば叶う」というステレオタイプのおとぎ話を抜きんでた所に、宮崎さんの勢いを感じた。
途中、ミューズと山口智子の間に、どんな契約があったのか?そこだけはわからない。またDVDなどで検証せねばと思っている。