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『身毒丸~復活』 寺山修司&岸田理生/作・蜷川幸雄/演出

b0025405_23562399.jpgニューヨークで大絶賛を浴びた作品の凱旋公演「身毒丸~復活」。大阪公演の初日をシアター・ドラマシティーで目撃する。

ストーリーだとかそういうのは割愛。

"時代の臭気"というものを、最近の蜷川作品から強く感じる。そして彼こそ、その"時代の臭気"を舞台で再現できる希有な演出家だと思う。
まさに日本的なじゃりじゃりした砂の感触と汗というかそういう臭気のあった時代。そういうのに圧倒された時間はあっという間に過ぎる。
あの決して広いとはいえないドラマシティーの容積を宇宙的に拡大する空間演出の妙。
もはや演技の妖怪と化した白石加代子と、蜷川組の神童となった藤原竜也。そしてエキストラといえども隙のない演技を魅せる名脇役の歴々。しかしそんな名優たちを、決して一人舞台にしないのが、ものすごくシズル感を生む。ともすれば予定調和、もしくは誇張されそうなパワーバランスを演出家がバッサリと崩し、ある時空に観客を連れ去るという、そういう強制力を伴った舞台は圧巻そのものだった。

終演後、観客席はすべてスタンディングオベーションで、何度もカーテンコールが行われた。ボクはしばらく自分の席で、ただ呆然として、心臓の動悸を抑えてから、やっとこさ会場を後にしたという、情けない状況に陥った。

寺山と岸田の共作で、そして今、蜷川が蘇らせた妖気…、とでもいえばいいか。
感動に愕然として、呆然となる。まさにそんな舞台だった。
by nestvision | 2008-02-28 00:03 | 観ました!review