『淀川にちかい町から』 岩阪恵子/著(講談社文芸文庫)
2007年 10月 08日
十編のきれいな物語で構成された綺麗な短編集。学生時代に詩を書いていたという作者だけあって、ものすごい描写力だと感心する。
中でも「釘を打つ」という小品に感動した。
こういう短編が本当に書きたいなぁ。やっぱりやっぱり三十枚というのは、ひとつの壁だと思うのだ。どうやったら、あの枚数でシンプルかつふくよかさを出せるのか…。
岩阪作品を読むと、ものすごい量の推敲の後がみられて心地よい。まさに言葉を紡ぐという感じ。とてもキメの細かい繊細な文体が心を射る。
いい☆五つ星☆