イシハラマコトのマンボな日常へようこそ☆


by nestvision
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『ランドマーク』 吉田修一/著(角川文庫)

8月最後の日曜日。(ってか9月になったけど)
最近、話題の作家でもあるので読んでみようと、吉田修一の最新文庫をなんとなく買う。
そして半日で読了。

面白かった?……、ううん微妙です。ってか、新しくないし、職人の十割蕎麦を食った感じ。

この人って、「文學界」の新人賞候補から、次年に新人賞をとってデビュー。
当初から芥川賞候補になりながらも、一度もとっていないという作家。

その理由がよーくわかった。
この「ランドマーク」も、とあるビルの設計者、そして飯場で働く若い男性。
それが主軸になっていて、パラレルに人間関係の中の綾というか、微妙なバランスに悩み、そして生きている。そういう儚さを、巨大な建設中のビル建築の蘊蓄と共に語られる。

すらすら読める。
いや、むしろすらすら読めすぎるのだ。
何の引っかかりも無い。
そもそも、作者の視点が”ボン”過ぎる。
熟練のスタジオミュージシャンのコンピレーションのCDを聴かされている感じ。
全く文句は無いけれど、もう一回聴きたいかと問われると、何を聴いていたか忘れている感じ。
あぁ、なるほど、だから芥川賞が絶対にとれないんだ……と納得。

描写もいい、構成もいい。でも棘がない。

きっと、「文學界」の担当編集者がどうやらとってもデキる人のようだ。
絶対に芥川をたらせたかったが、そこだけ望み叶わず。
吉田くんというよりも、担当編集者の敗北であるかもしれない。

編集者としては、きっと模範的な書き手なんだろうなぁ…などと邪推する。

自分的には得るものが無し。しばらくこの人の、きっと読まないと思う。
by nestvision | 2007-09-02 20:52 | 読みました!review