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『オレステス』 蜷川幸雄/演出 エウリピデス/作(ドラマシティ)

b0025405_2175249.jpgまた蜷川幸雄にノックアウトを喰らった。有名なギリシャ悲劇を、蜷川が解釈をし直して、盟友/藤原竜也と、中嶋朋子が、人間本来の復讐の連鎖を、見事に演じきる。
シアタードラマシティの舞台のすべてに雨が降り注ぐ。俳優が雨音に負けまいと台詞を振り絞る。
そしてラストシーンのいわば破壊の演出。蜷川は「狂う」と表現している。
蜷川曰く「不可能性の現状を提示する」という言葉通り、まさに旧約聖書のバベルの塔の結末を彷彿とさせる世界観の具体だった。

そして今回最も感動したのは、15名のエキストラ達。「コロス」という、ギリシャ悲劇においては定番の役どころだそうで、エキストラでもあり、客観的な芝居の証人でもある存在。
僕は今年の初めに同じ舞台で、さる劇団のエキストラを演じた。その経験は確実に僕の芝居を見る目を変えた。稚拙であっても、舞台を自ら経験することによって、この舞台でもエキストラの完璧な芝居を心から堪能できたと思う。本当に完璧な動き、そして演技だった。彼女ら15名が大道具であり小道具であり、そして演出そのものだったという印象だ。
まさに「オレステス」の本当の主演は、この15名のエキストラ達だとさえ断言できる。

「神は細部に宿る」とは文学で良く使われる言葉だが、まさに今日の『オレステス』には細部に神が宿っていた。
あまりの感動に、思わず最初に、スタンディング・オベーションを贈っていた。
by nestvision | 2006-10-07 21:33 | 観ました!review