イシハラマコトのマンボな日常へようこそ☆


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【再読】 『恋愛中毒』 山本文緒/著(角川文庫)

第二十回吉川英治文学新人賞に輝いた、山本さんの出世作。はじめて読んだときには、あまりにリアルで、そしてストーカーの心情が、我々生きる人間の誰にも心に秘めているんだという恐怖。そして構成の巧さに唸ったものだった。

ちょっときっかけもあって、もう一回きっちり、ゆっくり味わって読もうと思った。
最初に読んだ頃は、僕も北新地の女性の内面を書きたくてしようがなかった頃だから、女性心理の描写として感動的な作品だと思った。
今回、読んでみて、実は登場する男性の心のヒダが全く語られていない事に気づく。
当然、山本氏の戦略的な構成の中にあって、ここで男性描写を描きすぎると作品のテーマがブレるという事だったんだろうけど…。

最初に読んだ時に、俗物の権化として認識してしまった登場人物の「タレント作家先生」が、今回の再読では最も人間らしいと思った。
山本文緒は女性だから、これがこのテーマの最終形だろうと思うが、やはり僕はこのテーマのリバーシブルなモノを描いてみたい。
そこにこそ、僕の今のテーマがあるかもしれない。

女性の恋愛観、男性の恋愛観は、悲劇的に別物である。
かつてアダムとイヴの時代に、嘘の代償としてアダムの肋骨でイヴが創造された。それは即ち性差であって、男女の根本の始まりであった。
だから、我々が直面する”男と女”は"十字架"に他ならないのだと思う。
十字架から逃げ続けるのも人生。十字架を丸囓りするのも人生…。
さぁ、あなたはどっちを選択するだろうか?
by nestvision | 2006-09-17 23:06 | 読みました!review