イシハラマコトのマンボな日常へようこそ☆


by nestvision
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『シレンとラギ』 中島かずき/作・いのうえひでのり演出

2012.4.28 OSAKA 梅田藝術劇場
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待ちに待ったという感の劇団☆新感線による”いのうえ歌舞伎”『シレンとラギ』を観る。
最初に言っておくが、拙者は新感線は大好きだ。もしかしたらファンかもしれぬ。かつての初期の新感線には首を傾げた時期も確かにあったが、一線を越えてからの彼らのエンタテイメント芝居の求道者としてのスタンスにはリスペクトしている。

…で今作である。
南北朝をモチーフにした新感線座付きの中島かずき書き下ろしの脚本。
まさにギリシャ神話のオイディプス王の悲劇を南北朝時代のフレーバーで焼き直した様な感じ(…と僕には見えた)が最近の新感線の流れから少々奇異に見えた。
芝居の作りには何も文句はない。目を見張る演出と名優揃いによるキャスティング、エキストラに至るまでが名優たちという舞台の完成度は相変わらず素晴らしい。
で、その客寄せに藤原竜也と永作博美というダブルメインというインパクト。
どうやらここらに今作のモヤモヤとした観後感の原因があるような気がするのである。
どちらも大手の芸能プロの看板タレントである。いのうえに上る前に様々な駆け引きがあったはずだ。
結局この二人によるダブルメインを成立させる為に、中島+いのうえが扱い易い新感線のメンバーが脇を固めた結果、どうも新感線ファンの消化不良を招いた様な気がするのである。
そう考えると古田新太の場所はあの役であって、それは新感線ファンとしてはとても曖昧な位置になってしまったというワケである。
大きな疑問といえばそこだけである。もしこれが中島+いのうえの100%クリエイトであるというなら「次回期待!」って事でお茶を濁せるが、大手芸能プロや、興行主であるテレビ局などの意向が錯綜し合って、あぁなっているのならば、事態は深刻で、新感線にとっては黄色信号である。

よくわからない概念論はこれくらいにして…、

高橋克実のゴダイ大師はハマり役だったし、今作のMVPだったような気がする。逆にダブルメインの右舷、藤原竜也は当然ながら余裕の演技で、蜷川作品で彼がみせるギリギリ感が無くて少々不満。左舷の永作博美はちょっとあの役には可愛い過ぎてダメだったかもという気もする。演技云々ではなく永作の発するオーラが、あの設定には合わなかった。
今回の照明プランはスゴいなと思ったが、音響がなぜあのマイクトラブル頻出なのかが理解出来ない感じ。

総括として…。
劇団☆新感線の定期公演はファンにとって祭りである。そういう意味での祭り感には少々そぐわない脚本だったし、何より看板役者である古田新太のカブキなシーンがあまり観れなかった。
それは不満というワケではなく、何だかトンカツを頼んだのに、トンカツソースでは無くそのままどーぞ!と言われた感じで、どうにも釈然としない感想を多くの観客が持ったのではないだろうか?

なので★★☆☆☆。



Hi
by nestvision | 2012-04-29 20:48 | 観ました!review