イシハラマコトのマンボな日常へようこそ☆


by nestvision
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

北新地の男前ホステスY子さんについて。

b0025405_8543133.jpg今の北新地(特に上通り界隈)で有名人がひとり居る。
高額な未収金を抱えたY子さんである。
北新地のシステムをご存知でない方に少々レクチャーをしましょう。
北新地では原則ホステスさんは自分の客(口座とか係という)の飲み代の集金リスクを伴って「口座料」という金額を受け取る。現金払いの客はほとんど居なくて、カードかツケ(一ヶ月まとめて請求書が郵送される)がほとんどの昨今の北新地。もし期日に客から店に入金が無い場合、この口座さんが店に対して立て替えるのがならわしなのである。
「えぇ…、そんなぁ…」という人がほとんどだが、こう考えると納得がいく例をひとつ。
銀座や北新地のクラブといわれるお店は大丸とかそごうなどの百貨店と同じなのである。
百貨店の中に多くのブランド(ヴィトンだったりシャネルだったり)が入っている。ホステスさんは一人一人がそのブランドなのである。いわば百貨店から場所を借りて商売をしている。
ヴィトンで商品が盗まれたとする。それはヴィトンの責任であって百貨店は基本的に感知しない。ヴィトンの商品が売れ、百貨店の経理が集金するが、その中に不正カードのものがあれば、売り場(ヴィトン)に責任があり、店に補償しないといけない。
京都の色町で有名な「お茶屋」と「置屋」が簡素化し、システム化(あるいは形骸化)したのが今のクラブのシステムだ。
お店はホステスさんにお店というシステムを貸している。ミネラルや氷、ウェイターやピアノ弾きなど、公共的なもののコストは持つ。そのシステムを使ってホステスさんは自分の商売をするというワケだ。

そういうシステムの中でY子さんは大きな未収額を抱える事態が起こった。

北新地は小さなコミュニティである。一晩のウチにその噂は街中を駆け巡ったようだ。
「×のホステスで○○万、飛ばれた人がいるらしい。アホやなぁ…気づけへんかったんやろか?」

「へぇ、そんな人おるん。かわいそうになぁ…」と請け答えしているが、そのY子さんは実はボクの昔からの口座さんである。
まだ大学生だった頃から知っているし、安いラウンジからクラブへ進出する時に背中を押した仲である。
当事者である客の動向が不穏になって来た頃から何となく本人からその話は聞いていたが、その期日がやって来て、Y子さんは数日少々パニックになったものの、その高額な補償を何とか自力で店に対して行った。
「もう一文無しですけど、一からがんばります。笑っときやぁ…ってママたちも応援してくれるし!」とこのY子はケラケラと笑った。

格好ええなぁ…!
天晴れ!と思った。

普通、お金の補償で店とモメたり、仲の良い金持ちの客から金を借りようとするセコいホステスの多い中、Y子は自力で何とかして笑って毎日出勤している。

中途半端なヘルプのホステスや、出たり入ったり腰の落ち着かぬホステスが、会った事も無いこのY子の噂話をしているだけの事である。こういうホステス道からはほど遠い腰掛けホステスが面白可笑しく噂しているだけである。

真面目に北新地にコミットしている人間はみんな思ってる。「男前やなぁ…」って。

昨日は北新地の締め日だった。ボクは電車で帰る予定だったけど、一時間だけお店に行った。
こんなボクが一晩行ったところで何にもならないけれど、出来る限り行ってあげないと…と思っている。
幸い、そのお客さんとも交渉が進み出したと聞く。その方の事は何も知らないのでここで云々書くのは憚れるが、同じ男として、まぁいろいろあったんだと察する。

そういうY子のような人がいるから、この街はまだまだ大丈夫だと思う。
そんな男前な気持ちには、こちらも真心で応援しないといけない。
がんばれ!Y子。ほんまもんのホステスに、また一歩近づいたなぁ。
by nestvision | 2012-02-21 09:08 | 北新地春秋column