泡坂妻夫さん永眠す。
2009年 02月 07日
厚川昌男(あつかわまさお)が本名で、筆名は本名のアナグラムである。
生家は紋服に家紋を描く紋章上絵師の家で、サラリーマンを経て稼業をも継いでおられたようだ。
また、日本マジック界の重鎮でもあり、今では伝説化されている、邪宗門奇術クラブに入会し、多くの創作奇術を発表。1968年には優秀なマジックの考案者に贈られる石田天海賞を受賞し、今では日本奇術界の最高峰といえる「厚川昌夫賞」を創設された。
多くのミステリー作品があり、中には造本すべてにトリックがなされた編集者泣かせの長編小説さえある。稼業の家紋関係の本。そして奇術関連の著書など膨大だ。
ボクも彼の作品「ヨギ・ガンジー」ものは、時々マジックで使わせてもらう。
また、コインマジックの至宝ともいえる技法、MAパスを考案した方としても有名である。
一度もお逢いすることはなかったけれど、彼の終生変わらぬ好奇心に敬意を表したいし、これからの自分のある種の目標でもある。
かつて、泡坂さんのマジックを観たという人が言っていた。
「とにかく温かくて、優しいマジックでした」と。
結局、マジックの終着点とは、そういう所にあるんだと思う。
泡坂さん、どうぞあの世でも楽しんでお過ごし下さい。
素敵な遺産の数々をありがとうございました。